東丹沢の展望台

丹沢  仏果山   747m
ぶっかさん


2000年1月22日

丹沢の東のはずれ、宮ヶ瀬湖の東。

半原〜高取山〜仏果山〜経ヶ岳

正月に陣馬山へ初日の出を見に行って以来、色々と事情が有って、山へは3週間御無沙汰してしまいました。今年は道志や丹沢の山を中心に歩こうと計画しているので、今年初めの山は丹沢山塊が関東平野に消える所の仏果山へ行く事にしました。しかし、出発前に思わぬトラブルが有りました。


今日は近場でもあるし、道路の凍結も心配なのでゆっくり7時過ぎに起きて、長男と二人でゆっくり朝食を済ませ、8時半に家を出た。3週間ぶりにバイクのカバーをはずし、キーを回し、セルボタンを押した。キュルルとセルは回ったがエンジンがかからない。セルの音だけが空しく響く。

バッテリーがあがるとまずいので、早々にセルはあきらめて近くの坂で押しかけを始めた。しかし、それでもダメ。やむを得ず近くの公園までバイクを押し上げ、日当たりの良い場所でしばらくバイクを暖める事にした。幸い風も無く暖かいので府中カントリーのゴルフを眺めて時間をつぶした。30分ほど暖めて、再度押しかけに挑戦した。今度は一発でかかって一安心。駐車場へ戻り荷物をかつぎ出発した。1時間ロスしてしまった。

懐かしいNECの相模原工場の横を通り半原へ向かう。前方に見える丹沢の山々が雪で白く光っており期待を感じさせる。1時間弱で半原に着いたものの登山口をさがしてしばらくウロウロしてしまった。やっと橋の下に高取山登山口を見つけバイクを止める。

登山口は半原から宮ヶ瀬への道の橋の下にある。支度をして、林道のゲートの横から入る。少し林道を歩き、右手の川を渡り、山道を登る。しばらく樹林の中の登りが続くが、所々に鹿よけのゲートがある。3つ目のゲートをくぐるとベンチが有り、少し早いがここで一本にする。

あまり見晴らしの良い尾根ではないが、時々相模原方面が見え足を止める。標高550メートルを過ぎると待望の雪が見えてきた。さらに暗い樹林の中を登り標高650メートルを越えると雪山になる。高取山の頂上直下の斜面に着いた。頂上の展望台を頭上に見ながら積雪10センチほどの斜面を登る。いい感じだ。今まで人っ子一人いなかった山道だったが、頂上には10名程度の登山者がいた。もう12時を過ぎていたので今日はここで昼食にする。

ベンチの上の雪を払い場所を確保してお湯を沸かす。眼下には気持ちが良いほど関東平野が広がっている。あそこが相模原で、あそこが多摩ニュータウンで、あそこが新宿で、となかなか飽きない。


高取山から多摩ニュータウンを望む。

高取山は標高705メートルの低山だが、北側の斜面は立派な雪山になっている。その向こうに見える仏果山が少し高い。いつもながらこういう景色を眺めながらのんびり食事をするのは心地よい。


高取山山頂の雪面から仏果山を望む。

食後、展望台に登ってみる。鷹さ十数メートルの展望台で樹木の上に顔をだす事ができる。眼下に宮ヶ瀬ダムが有り、宮ヶ瀬湖が広がっている。石老山が近くに見え、その向こうには高尾山から陣馬山への尾根が連なっている。


高取山展望台から宮ヶ瀬ダムを見下ろす。


高取山から石老山。後方は奥多摩の山々。


高取山展望台から宮ヶ瀬湖を見下ろす。

宮ヶ瀬湖の向こうには丹沢の山々がそびえている。丹沢の初心者にもわかりやすい。左に大山、その右に三ノ塔、そして塔ノ岳へと連なる。その右には丹沢山、手前に本間ノ頭が有り、その右は丹沢の最高峰である蛭ヶ岳がある。さらに右に焼山への尾根が下り、青野原へ沈んでゆく。その先は石砂山、石老山となる。

本間ノ頭には思い出が有るので紹介しておく。昔、山岳部の大崎と二人で夜、宮ヶ瀬に入り、ツェルト(簡易テント)で泊り、翌朝、本間ノ頭を登り、丹沢山、塔ノ岳、三ノ塔、大山と歩く計画であった。本間ノ頭への登りはダイナミックだ。時間との勝負なので朝いちから飛ばした。やがて右足がつりそうになり、それをかばう左足もつりそうになった。

今のようにストックが有ればリカバーできるのだが、ともかく歩くしかない。山で足をつりそうになるのは初めてだし、気持ちもあせってしまった。それでも頑張って三ノ塔を下りヤビツ峠に降りたが、もう大山へ登る気力は無くなっていた。本間ノ頭の登りを見て、そんな昔話を想い出してしまった。


丹沢の山々。中央が本間ノ頭、右が蛭ヶ岳。

展望台を降りて仏果山へ向かう。50メートル下り100メートル登る。30分の行程である。残念ながら雪は少なくなってしまった。仏果山の山頂は20人ぐらいの人でにぎわっていた。写真を撮ってもらい展望台へ登る。高取山が低く見える。


仏果山の山頂にて。


仏果山展望台から高取山を見下ろす。

仏果山からは小さなピークとやせ尾根が続く。凍っている所も有り、気が抜けない。それでも眼下の宮ヶ瀬湖の眺めがダンダン変わってゆくのが楽しい。30分ほど進むと尾根上の道は行き止まりになり、右の宮ヶ瀬湖方面の斜面へ階段が下ってゆく。道標が坂尻へとなっているので、宮ヶ瀬湖へ降りてしまうのではと半信半疑で下る。しばらく下り、少し登り返すと、また同じように右斜面への下りになる。ここの道標は半原越へとなっており安心する。半原越への下りで経ヶ岳の全貌が見えた。


経ヶ岳を望む。

半原越には立派な車道が通っている。ここから経ヶ岳へは150メートルの登りだ。ともかく階段が続く。途中クサリ場が有るが、クサリ場というほどの所ではなく階段のテスリ程度である。ともかく階段が続く。経石で階段が終わり、少しなだらかになるともう頂上だ。人の居ない経ヶ岳の頂上でコーヒーを沸かして、逆光の丹沢の山々を眺めながらひとときを楽しむ。

下りは尾根通しに平山へ下りる計画だったが、半原までバスで戻る必要があり、時間がかかりそうなので、半原越まで戻り、南山林道を半原へ向けて歩く事にした。バイクで来て林道を歩くのは馬鹿らしいが縦走してしまったのでやむを得ない。下に着き住宅地に入ると道がわかりづらくなる。しかし、うまく今朝バイクで迷いこんだ場所にでたのですぐに道がわかった。バイクが置いてある登山口に着き、急いで支度をして家へ向かった。

高取山、仏果山ともに登山口は同じ場所である。直接仏果山へ登り、丹沢の眺めを楽しむのも良い。経ヶ岳は林道から近いので仏果山から縦走して行っても空しさが残る。

場所 高度(m) 到着 出発
自宅 9:30
高取山登山口 230 10:27 10:51
一本 440 11:21 11:27
高取山 705 12:06 12:57
仏果山 747 13:28 13:37
半原越 480 14:41
経ヶ岳 633 15:02 15:33
半原越 480 15:44
高取山登山口 230 16:42 16:53
自宅 17:45


閉じる