八ヶ岳を南北に分ける山

八ヶ岳  天狗岳2646m
  てんぐだけ


2000年8月26日

八ヶ岳中央部

八ヶ岳原村=渋の湯〜黒百合平〜東天狗岳〜西天狗岳〜唐沢鉱泉〜渋辰野館付近=八ヶ岳原村

今回は職場の若手と八ヶ岳に登りました。登山の初心者が多かったのですが、若さで元気に登ってきました。


高橋、比地原の多摩組は夜9時に八王子を出発し11時過ぎに八ヶ岳原村に着いたが、我孫子組は首都高速の事故渋滞で12時半の到着になった。とりあえずビールで乾杯して寝た。

朝6時過ぎに起きてそれぞれ朝食を食べる。望月の車に7人乗って、7時過ぎに出発した。三井の森のゴルフ場の脇を抜け、「湯のみち街道」へでる。やがて道はワインディングロードになり、明治の湯、辰野館を過ぎ、道が細くなると、すぐに渋の湯に着く。駐車料金の千円を払い山支度をして出発。


渋の湯に到着。

車道を川沿いに歩く。橋を渡り渋御殿湯の前を過ぎ釣橋にでる。ここで計画書を投函し釣橋を渡ると登山道は左右に分かれ、右の黒百合平への道を行く。先頭の高橋がすごいスピードで登ってゆき、皆頑張ってついて行く。元気がいい。

20分ほど登ると鈴木が休みたいというので少し休憩する。高橋と先頭でガンガン登っていたのに、体調が悪いようだ。さらに少し登った所で胃の具合が悪いというので残念だが一人で渋の湯に下り、温泉で待ってもらう事にした。

見晴らしの無い急な樹林の登山道をひたすら登り八方台との分岐に着いた。いいペースだ。ここからしばらく傾斜の緩い尾根を歩く。前方に中山と天狗岳の谷間が見えた。黒百合平は、ちょうどあのあたりである。


遠方の谷に黒百合平がある。

樹林の低い気持ちの良い尾根から沢筋に降りる。ここで唐沢鉱泉からの道を合わせる所で一休みする。立石が酸素を吸っているが、みんな元気そうだ。


沢に降り、唐沢鉱泉との分岐で一休み。

黒百合平へ向けて沢沿いに登る。6月に来た時には登山道まで水が流れていたのに、今日は沢にも水が流れていない。所々鉄製の小さな橋がかけてある。登山道としては趣の無い構造物だ。次第に傾斜が緩くなり、右から天狗岳の岩だらけの斜面がせまってくると小屋は近い。樹林の間の端を渡ると樹林が開け、目の前に黒百合平が広がる。


黒百合平の小屋に到着。

小屋の前のベンチでしばしくつろぐ。今日は真っ青な空で、風も無く、良い天気だ。さすがに直射日光は暑い。小屋の屋根には、ビッシリと布団が干してある。我々が休んでいる間にも数パーティーが黒百合平に登ってきた。今日は8月最後の週末なので人出が多いのだろう。

天狗岳までは尾根コースと岩コースがある。尾根コースの方が時間的にも楽だが、今日は岩コースを行くことにする。ベンチから少し沢の方に戻り、岩がゴロゴロした斜面に取り付く。少し登ると天狗岳が姿を現した。左の東天狗岳には天狗の鼻のような岩峰が見える。今日は、まず左の東天狗岳に登り、次に右の西天狗岳に登り、右の尾根を下る予定だ。


左が東天狗岳、右が西天狗岳。

このあたりが天狗の奥庭と呼ばれる所で、眼下にスリバチ池が見えるが水位は低い。岩の中の登山道には植物保護のためのロープが張ってある。歩きにくい道ではあるが、東西の天狗岳を望みながらの登行は気持ちが良い。振り返ると、中山の左に蓼科岳が見え、登るにつれて北八ヶ岳の山々が見えるようになる。


岩がゴロゴロしている東天狗岳への登り。

立石が少し疲れてきたようだが、この歩きににくい道を皆元気に登ってゆく。頂上が見えるがなかなか近づかない疲れる所だ。天狗の鼻がしだいに近づいてきた。岩峰の下で尾根ルートと合流する。尾根の東側は崩壊した火口壁になっていて、切れ落ちている。この東側の斜面から雲が湧いているが、稲子湯あたりまでは展望がある。


尾根ルートとの合流点にて。岩峰の向こうに東天狗岳の頂上がある。

少し下りトラバースぎみに登り、やがて岩峰の右の小さなルンゼ状の登りになる。たいした登りではないが、しっかりとクサリが付けてあるので下りも安心だ。すれ違いが難しいので、ここで白人の二人が下るのをしばし待つ。「ガンバッテ」と激励されてしまった。


岩峰の右側をクサリをたよりに登る。

岩峰からいったん下がって、頂上への最後の登りになる。皆が頂上に着いたので下から写真を撮る。ここから見ると頂上はすごい崖の上にある。


東天狗岳の頂上を望む。中央で手を振っているのが我々のパーティー。

頂上で記念撮影をしているとセミが飛んできた。高度のせいか元気が無い。比地原の指の先でいっしょに記念写真に収まってしまった。


東天狗岳の頂上にて。比地原の指にはセミがとまっている。

とりあえず赤ワインで乾杯した。雄大な景色と登ってきた疲労感で、皆満足そうだ。お湯を沸かし、カップラーメンなどで昼食にする。相変わらず東側から雲がどんどん湧いてきていて、高い積乱雲ができている。しかし、西側には雲は無く、赤岳、阿弥陀岳がはっきり見え、その右にチョコッと編笠山が見えている。なかなか展望の良い場所である。


赤岳、中岳、阿弥陀岳の遠望。

東天狗岳で1時間ほど休み、西天狗岳へ行く。いったんコルへ下り、ほぼ同じ高さを登る。15分程の行程である。


西天狗岳へ向けて東天狗岳を下る。

西天狗岳の頂上にはハイマツが生えていて、東天狗岳よりも広い。ここから東天狗岳を見るとずいぶん切り立って見える。頂上の南側は崩壊しているので要注意だ。


西天狗岳の頂上から東天狗岳を望む。

西天狗岳から西尾根を下るが、この下り始めは、なかなか急斜面だ。皆疲れているようだが、下りも快調に歩いているので驚く。


西天狗岳から西尾根の下り。

西天狗岳から一度下り、少し登りかえす。振り返ると天狗岳から眼下に見えた青い屋根の根石山荘が遥か上に見える。樹林の尾根をしばらく歩くと樹林が切れ小さな岩場になる。西尾根の第一展望台である。ここから深く樹林の下りになる。一瞬、遥か右下に唐沢鉱泉の屋根らしきものが見えたが、また樹林の中に入って見えなくなった。

ようやく、枯尾の峰との分岐に着いた。直進する枯尾の峰への道はあまり踏まれておらず、廃道に近い。我々はここから右に尾根をはずれて唐沢鉱泉へと下る。長い下りだが、下るにしたがって、対面にある今朝登った尾根が次第に高くなり、沢の音も聞こえてきた。沢に降り立つとそこが唐沢鉱泉である。ひなびた印象を持っていたが、意外にも立派なロッジ風の建物が二軒建っていた。

鉱泉でトイレを借りる者、ジュースを買う者、とりあえず一休みして渋の湯に向かう。直接尾根を越えるのが一番近いが、皆疲れているようなので林道で巻いて行く事にする。元気な海老原が走って先行して行ってしまった。途中右にゲートの閉じた林道へ入り八方台へ向かうのだが、海老原が右折したかどうか不安だ。携帯電話で呼んでみるが、どうも持っていないらしい。

皆、足を引きずるように林道を歩いている。八方台で分岐があるが林道を行く事にする。やがて下りになったがなかなか車道に着かない。やっと着いたのは辰野館の下のほうである。海老原が先行していれば、渋の湯から車を持って来てここで待っているはずだが、居ない。望月が車を取りに渋の湯まで行き、戻ってきた。やはり海老原は居ない。

捜索開始だ。三人を残して車で唐沢鉱泉へ向かう。かなり下らないと唐沢鉱泉への道にたどり着かない。三井の森まで下り、再び登る。夏沢峠への道を右に分け、橋を渡りつづら折れの道を登り八方台への分岐の手前に着いたとき、携帯電話に海老原発見の知らせが届いた。即、Uターンして、三人を残してきた場所へ戻る。ここで無事全員揃って一安心。一時間以上ロスしてしまったが、おかげで車での唐沢鉱泉への入り方がわかった。

我孫子と横浜から後発したBBQ組みの中沢と松井の二人も渋滞で遅れたが、諏訪南で待ってもらい無事合流した。「もみの湯」の温泉に入り、ビールを飲み、バーベキューで腹を満たし、快適な疲れを感じる。ほっとしたせいか、比地原は不覚にも寝てしまった。


夜はバーベキューで疲れを癒す。

ビールをがまんした海老原の運転で我孫子組の4名が深夜出発した。川渕は日曜日に大型二輪の卒業試験を受ける。足が疲れて不合格ということにならなけば良いが。・・・どうやら合格したらしい。

【望月智之】

今回の参加にあたり、期待していたことは、
 ・山からの景色
 ・平地でない道の上り下りすること自体
 ・心地良い疲労感(普段の運動不足解消)
あたりでしたが、これらは十分に満足できるものでした。

景色は特にすばらしく感じ、また行きたいと強く感じると共に家族にも見てほしいと思うものでした。今思うともっと写真を撮っておけばと後悔しています。(自分でもカメラを持って行くべきでした)

天狗岳山頂前の岩場の上りは、今回の「登る」のハイライトでした。この様なルートは、今回一番期待していたものでした。やはり下りより登りが楽しく感じましたが、普通そういうものでしょうか?上りが長く、下りは短いルートが良いと感じました。

普段の運動不足+下山後の柔軟体操スキップのため日曜は、体中痛くなりましたが、これはこれで心地よいものです。

最後に予想外の楽しみをひとつ。山頂で飲んだワインがおいしかったです。ビールを飲んでいる人もいました。登山前にこのあたりをもっと意識していたら、更にモチベーションUPできていたと思います。

とても楽しい時間が過ごせましたし、新たな趣味に案内していただき、ありがとうございました。今度、家族で行く時、ルートの相談をさせていただくかもしれませんがよろしくお願いいたします。

別荘、BBQ等、いろいろお世話になりました。ありがとうございました。

【立石陽輔】

一番の感想は、良くあの距離、あの標高差を歩けたなと思いました。それと、道中日陰が多かった割には、かなり日に焼けたので、涼しくても日焼けするもんだなぁと、改めて思いました。(当たり前ですね、日差しはどこも変わらないのですから。)翌日、筋肉痛と日焼け痛に悩まされたのは言うまでもありません。

でもこれにめげずに、また機会があれば挑戦したいと思います。あの爽快感・達成感を味わうために!(きっとまた足を引っ張るでしょうが。。。)

【海老原孝弘】

どうもいろいろありがとうございました。

今回登山して思ったことですが、昇りは結構楽しいですね。
あの、辛さがとても心地よく思えました。個人的にはもう少しペースを速めて昇りたかったですが....
下りは足首のことを考えながら降りる必要があったので少し辛かったですが.....
景色もかなりよかったと思います。久しぶりに、雄大な景色を眺めました。頂上でのカップラーメンもおいしかったですね。次回は、BBQでもしたいです。あと、果物を持っていきたいと思います。もちろん携帯電話もですが.....(^_^;)

一番よかったのは、天気がよかったことだと思います。
遠くの景色も見えてかなりリラックスできました。

また、次回みんなでいいけたらいいと思います。
ありがとうございました。

黒百合平から東天狗岳の登りは二つのルートがある。尾根ルートが楽だがあまり面白味がない。天狗の奥庭を通るルートは岩がゴロゴロして歩きにくいが景色も良く、楽しいのでお勧めである。

唐沢鉱泉から渋の湯へは林道ルートは遠いので勧められない。尾根越えも直登でなく巻きぎみなので楽そうだ。尾根越えがお勧めである。しかし、今回のコースでは車で三井の森から唐沢鉱泉に入り、唐沢鉱泉を基点にするのがベストである。

8月26日 標高 到着 出発
八ヶ岳原村 7:10
渋の湯 1840 7:47 7:59
一本 2030 8:23 8:26
八方台分岐 2130 8:45
唐沢鉱泉分岐 2200 9:09 9:19
黒百合平 2410 9:54 10:12
一本 2535 11:10 11:19
東天狗岳 2640 11:43 12:44
西天狗岳 2646 13:00 13:20
一本 2420 13:49 13:54
西尾根第一展望台 2416 14:19 14:29
分岐 2150 14:54
唐沢鉱泉 1890 15:31 15:45
辰野館付近 1670 16:35 18:00
八ヶ岳原村 19:30


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