箱根外輪山縦走

箱根  明星ヶ岳、明神ヶ岳、金時山  1169m
みょうじょうがたけ みょうじんがたけ きんときやま


1999年12月4日

箱根北部の外輪山。

宮城野〜明星ヶ岳〜明神ヶ岳〜金時山〜金時神社

今年の2月に金時山へ登った時に明星ヶ岳から金時山への稜線を見て、ぜひ秋に歩きたいと思っていました。もう秋というより初冬になってしまいましたが、やっと行ってきました。今回は金時神社までバイクで入り、宮城野までバスで下り明星ヶ岳から金時山まで縦走しましたが、予想通り気持ちの良い縦走でした。


朝7時過ぎに出発し、一路平塚を目指す。途中、厚木で事故渋滞にまきこまれロスしたが、順調に平塚に着いた。西湘バイパスを箱根の山を眺めながら走り、海抜ゼロメートルから一気に登る計画でいたが、今日は雲が低く箱根の山は見えなかった。

箱根の町はまだ紅葉している。紅葉の箱根街道を金時神社目指してバイクでスラロームをしながら進む。金時神社の駐車場は既に満車になっていた。駐車場の隅にバイクを止め、着替えて仙石のバス停へ向かう。途中、バスで来て金時山へ向かう大勢のハイカーとすれ違う。金時山は人気の高い山のようだ。

仙石から宮城野へのバスは頻繁に有るので安心だ。バス停に着くと同時にバスが来た。宮城野へは8分で着いたのだが、今日はこの8分の距離を一日かけて歩く事になる。

バス停では登山口へどう行けば良いのかわからないので、地図を見てとりあえず、橋を目当てに小田原方面へ歩く。途中バス停を一つ通り過ぎた。バスを降りる時の運転手のけげんな顔が理解できた。宮城野橋でバスを降りる降りるのが正解であった。宮城野橋の手前に明星ヶ岳への道が有る。

しばらく行くと十字路がある。直進すべきか右折すべきか、標識は有るがどちらともとれる書き方である。こういう場合はどちらでも大差無いという経験に基づいて直進する。すると、T字路にぶつかり右折する。さらに行くと先程の右折の道に出会う。少し遠回りしたようだ。

車道から登山道へ入る所でストックを出し身仕度する。振返ると大勢の人が登って来ている。ここも人気のコースらしい。明星ヶ岳へは気持ち良く一気に登ってゆく。高度計もどんどん上がってゆく。もうすぐ頂上という所に見晴らしの良い所がある。強羅の町がよく見えるが神山は雲の中だ。

道はつづら折れになり緩やかになった。やがて木が伐採された広い防火帯にでた。明星ヶ岳の頂上は見晴らしが無いということなので、左に明神ヶ岳へ向けて下ってしまったが、実は明星ヶ岳の頂上は右に少し行った所らしい、というのは後で知った。少し下ると樹林が切れ明神ヶ岳が姿を現した。


明星ヶ岳の下りから明神ヶ岳を望む。

明星ヶ岳からの下りは笹の気持ちの良い道である。しかし、少し滑りやすい。振返ると明星ヶ岳の樹林がある。


明星ヶ岳から明神ヶ岳への笹の道。

しばらく登り下りをくり返し宮城野のコルから明神ヶ岳への登りになる。見晴らしの良い登りである。上部からは丹沢の山も見える。しかし、上部へ行くにしたがって西風が強く冷たくなってきた。

西風に包まれた明神ヶ岳の頂上は本当に寒い。頂上には人影が少ないが、よく見ると木陰や東斜面で隠れるように食事をしている人が大勢いる。私も東側に少し下った所でコンロに火をつけて昼食の支度にかかる。風が強いのでなかなか湯が沸かない。

寒いので短時間でコーヒーまですませ、金時山へ向けて出発する。明神ヶ岳の頂上は長い尾根状になっていて、左(西)側は火口壁で切れている。目指す金時山は雲の中ではるかに見える。金時山までは小さなピークが続いている。


明神ヶ岳の火口壁。奥の雲の中は金時山。

この縦走路は防火帯になっていて見晴らしが良い。明神ヶ岳を下った所でススキのじゅうたんを発見した。ここから左に宮城野へ下る道がある。


ススキのじゅうたんを歩く。

暗い樹林を抜けると今度は竹の廊下にでる。上から見ると気持ちの良い笹の道のようだ。


金時山へ、竹の廊下が続く。

竹の廊下の中に入ると、鷹さ2〜3メートルの細い竹の薮で視界は無い。本当に密集した竹薮である。風でこすれあう音が小鳥のさえずりのようであったり、川の流れのようであったり、それはそれで楽しめる。


竹の廊下の内部。

うぐいす茶屋の屋根が見えた。うぐいす茶屋まで一気に下り、金時山への登りが始まる。


うぐいす茶屋手前から雲がかかる金時山を望む。

うぐいす茶屋の前を直進すると、すぐに仙石へ降りられる。小屋の前でひと口水を飲んで、金時山目指して登る。やがて、左から金時神社からの道をあわせると登りはさらに急になる。ここからは2月に歩いた道なので楽だ。

金時山の頂上は2月の時と同様に霧に包まれている。寒いので皆、小屋の中に入っていて頂上には人気が無い。ベンチでコーヒーを沸かしながら、小屋から出て来た人をつかまえて写真を撮ってもらう。


霧の金時山山頂にて。

小屋から出て来た人にしきりに中へ入るように勧められるが、いかに寒いとは言え、せっかく山に来て小屋の中で暖まっていてはもったいない。コーヒーを飲みながら、今日は富士山は休業かと周りを眺めていると、2月の時のように雲が切れて富士山が頭を出した。


雲の上に頭を出した富士山。

小屋の中で暖まっていてはこういう変化を見る事ができない。もったいない事だ。やがて左の箱根方面の雲も切れて、神山も姿を現した。


箱根山の本峰の神山を望む。

金時山を下っていると明神ヶ岳と明星ヶ岳が明るく輝いているのを見つけた。さっき歩いて来た小ピークの続く縦走路の先には大きな山容の明神ヶ岳が有り、右の奥に明星ヶ岳が見える。


金時山の下りからすっかり晴れた明神ヶ岳と明星ヶ岳。
左が明神ヶ岳、右の奥が明星ヶ岳。手前は金時山へ続く縦走路。

分岐から右に下り、金時神社へ向けて一気に下る。神社で賽銭を投げ、家内安全と安全登山を祈願し駐車場へ向かう。防寒着を着てバイクをスタートした頃には周囲は暗くなり始めていた。帰りは乙女峠を越えて、御殿場から246号で厚木に向かう。伊勢原から渋滞が続いたが無事に帰宅した。

交通の便が良い箱根にあって安全に縦走を楽しめる良いコースである。冬は西風が冷たいので十分な防寒対策が必要。

12月4日
場所 高度(m) 到着 出発
自宅 7:09
金時神社 680 9:25 9:41
千石 640 9:52 9:52
宮城野 450 10:00 10:00
明星ヶ岳 924 11:03
宮城野分岐コル 913 11:34
明神ヶ岳 1169 12:08 12:45
うぐいす茶屋 895 14:14
金時山 1213 14:56 15:25
金時神社 680 16:20 16:40
自宅 19:17


閉じる