小河内ダムから登る

奥秩父  御前山  1405m
ごぜんやま


1999年8月22日

奥多摩湖の小河内ダムを渡り正面の山

小河内ダム〜サス沢山〜御前山〜栃寄ノ大滝〜境橋

今回の山行はハプニング続きでした。川苔山へ登る予定で家を出たのですが、鳩ノ巣の駐車場が満車で目的地を変更。小河内ダムの駐車場に車をおいて御前山へと向かったのですがビデオカメラにテープが入っていないことが発覚。というわけで今回の山行は画像なしです。


5時半に目がさめたが、夏の疲れのせいか体が起きられず結局7時に起きて7時24分に車で出発した。鳩ノ巣の駐車場には順調に着いたが満車で止める場所が無い。やむを得ず日原側から入ろうと奥多摩駅の先を右に林道へ入ったが途中の分岐から先は土砂崩れのため通行止になっていて車を道路に置くしかない。ここで川苔山はあきらめて小河内ダムの駐車場から御前山へ登ることにした。

小河内ダムの駐車場は屋根付きだが無料である。屋根は太陽電池でできている。駐車場を出発した時にはもう9時半近くなっていた。ダムの上でビデオを出した時にテープが入っていない事を発見。残念だが今日は映像無しである。

ダムを渡ると登山口に「熊に注意」の立札がある。あまりいい気分では無い。さっそく暗い急な登りが始まりさらに気分は暗くなる。「熊に注意」が頭をよぎるが、眼下の奥多摩湖の緑を見ながら気をまぎらわす。それにしても暑さのせいか、久々の山歩きのせいか足が進まない。1時間半近く歩いてやっとサス沢山に着いた。眼下の奥多摩湖と雲取山へ続く石尾根を眺めながらしばしくつろぐ。

サス沢山から少し下りしばらく楽な道が続くがやがて惣岳山への急登が始まる。今日のハプニングはここで始まった。後ろから来る男性に道を譲りゆっくり登って行く。やがて前の二人の女性パーティーに近づいてきた。もうすぐ惣岳山の頂上という所で突然前の女性が「キャー」といって駆け下りてきた。

「まさか熊では」と、一瞬ひるんだがどうやらそうではないらしい。「蜂にやられた、頭と顔を」と叫んでいる。私の前を行く男性が「蜂の針が残っていたら取れ、傷口から毒を酸い出せ」と刺された女性の相棒の女性に指示している所へ追いついた。そうこうしている内に後ろから夫婦のパーティーが追いついてきて、虫さされの薬を出してきた。私は最近薬類はまったくもっておらず少し反省。

その後、男性一名と夫婦の三人パーティーは登っていった。さて自分も登ろうかと歩き始めたら突然頭に「ブーン」と強烈なやつが襲ってきた。ストックで振り払いながら下へ逃げ刺されずにすんだ。「まいったな」と思っていると若い男女が降りてきた。「蜂がいるから気をつけて」と言ったとたん二人は蜂に襲われ「ワー、キャー」と叫びながら駆け降りてきた。どうやら頭を刺されたようだ。これで先に刺された二人パーティーは完全にビビリ下山していった。

さてどうしようか。下る事も考えたが結局登る事にした。雨具の上着を着て、帽子の上からフードをかぶり、軍手を着けて完全防備にしたが、どうしても目が隠せない。蜂は動物の黒眼を狙ってくるらしいので要注意だ。よく見ると登山道の左手の太い木にビッシリと蜂が群がっている。結局、登山道を行くのは危険と判断し右のヤブを登る事にした。「駐車場探し、ビデオ使えず、ヤブこぎ」とくると年末の石老山のパターンと同じだ。

虫の音に神経質になりながら右に大きくまいてヤブを登る。浅いヤブだが登山道のありがたみがよくわかる。かなり登って左に戻り登山道に着いた時にはホッとした。それでも時おり頭上に聞こえるブーンという音にハッとする。惣岳山の頂上にはすぐに着いた。ここから小河内峠経由で奥多摩自動車道路へ続く道が右に分岐する。下って来る人に会うたびに下山路を確認し注意したが、全員小河内峠方面であった。

御前山の頂上まではわずかな登りである。色々ハプニングが有ったおかげで頂上に着いたのは1時12分であった。曇っているせいもあり、頂上からの展望は良くないが広場になっていてベンチが有りくつろげる。先に着いていた人たちと蜂の話で盛りあがりながらのコーヒーブレークになった。

ブヨのような虫がうるさく顔にまとわりついてくるので快適ではない。夕立が来そうなので早く下山しよう。大岳山へ続く尾根を下り、途中で避難小屋へ左折する。都が建てた立派なログハウス風の避難小屋の前を通り、ひたすら下ると都の「体験の森」にでる。ここから林道が始まるが、沢筋の登山道を下る。やがて遠くで雷が鳴り始めた。林道を見ると、先週の雨のせいか道がごっそり無くなっている。

滝を過ぎ、さらに沢を下る。沢もかなり荒れておりルートファインディングが必要だ。やがて登ってくる人と出会う。よく見ると先に下山した人だ。「この先、道が無い」という。ルートファインディングには自信が有るので、さらに下る。所々わかりにくい所が有るが、道が無いという程の事は無い。

とうとう夕立が来た。雨具を着て、リュックの中が濡れないようにパッキングをチェックする。夏の雨は、そう悪くないが沢の中の雨は不気味だ。沢の水量と落石に気をつけながら足早に下る。登山道が崩れている所もあり、先週の雨はそうとうのものだったらしい。

林道に出るころには雨はほぼやんだ。やがて目指す境橋が見えた。橋の両脇をトンネルに挟まれ、橋の真ん中にバス停が有る。急いでバス停に着いたのが2時51分。バスの時間を見ると2時53分で、その次のバスは1時間後である。「もう行ってしまったのだろうか」少し心配そうに奥多摩駅方面のトンネルを見ていると、バスが来た。「ラッキー」と叫びそうになった。

10分ほどで雨のあがった小河内ダムの駐車場に着いた。着替えは無いので車のクーラーをつけて着干しをする。吉野街道は相変わらずの渋滞だったが6時過ぎに無事帰宅できた。

境橋から御前山への道は沢沿いの気持ちの良い道だ。部分的に荒れていてルートファインディングが必要だが、特に危険な所はない。今回の逆コースで沢を登り、小河内ダムへ下るコースの方がお勧めである。

場所 高度(m) 到着 出発
自宅 7:24
小河内ダム 550 9:16 9:26
一本 815 10:23 10:30
サス沢山 940 10:50 10:56
一本 1225 11:36 11:48
惣岳山 1341 13:55
御前山 1405 13:12 13:58
体験の森 1010 14:30
栃寄ノ大滝 845 14:51
境橋 15:51 15:53
小河内ダム バス 16:00 16:07
自宅 18:27


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